宗晋平

(109期)

宇宙産業の分野で

活躍する野球部OB

 普段、われわれにとってはあまり馴染みのない宇宙開発ですが、その分野の最先端に東筑野球部OBが奮闘しています。宗晋平さんは大学卒業後、JAXAでの勤務を経て、現在は人工衛星用のエンジンを開発・製造する宇宙ベンチャー企業「㈱Pale Blue」で活躍されております。(1/29放送のNHK「おはよう日本」でも紹介された企業です。)

 今回、お忙しい中、宗さんに仕事の内容や経歴を寄稿いただきました。さまざまな分野、業種で活躍する東筑野球部OB、ぜひお読みください!

(JAXA勤務時代の宗さん)

 皆さま、はじめまして。109期の宗晋平と申します。石田君、小川(同期)に続く3番手として、寄稿させていただくことになりました。

 

 前の2人とは大きく目線を変えて、私からは“宇宙”の話をします

 

 一昔前の宇宙開発は、NASAやJAXAといった政府機関が中心となっていましたが、近年は、国から民間企業へと主役が変わってきています。イーロンマスクのSpaceXを筆頭に、宇宙を活用した画像データや通信をサービスとして提供するベンチャー企業が世界中で立ち上がっています。

 

 彼らの大きな特徴は、小型で安価な衛星を、宇宙空間に大量に配備する”コンステレーション”という手法を使うことです。この手法が主流になることで、宇宙にアクセスする手段(ロケット)が多く必要となり、より多く衛星やロケットに使う部品が必要とされるようになります。どの企業がこれらの技術・サービスを先に確立させ、市場を総取りできるか。そんな時代に突入しています。

 

 私は現在、株式会社Pale Blueという人工衛星用のエンジンを開発・製造する会社で仕事をしています。まだ創業間もない企業で、宇宙ベンチャーと呼ばれています。

(現在の宗さん・一番左)

  当社のエンジンは、水を推進剤(燃料のようなもの)としていることが特徴です。従来のエンジンは毒性・爆発性が高いものや、高価なもの、入手困難なものを推進剤として用いてきました。近年、世界中のトレンドとして小型で安価な衛星を宇宙空間に大量に配備する”コンステレーション”という手法が主流となっており、従来型のエンジンでは、コンステレーションに対応する大量生産や、小型化に不向きであることから、水で動くエンジンは世界から注目されています

 

 私自身の仕事は、エンジン開発そのものではありません。資金調達、お客様への製品の売り込み、製品開発を加速させるための他企業との共創、政府支援の活用、内部管理体制の構築と、技術以外で会社に必要なものの多くを守備範囲としています。

 

 技術はもちろんのこと、制度面も含めて、常に新しいことへの挑戦が求められますが、そこで最も必要とされるのは、泥臭さや粘り強さ、土壇場での踏ん張りであると実感しており、高校時代に培ったものを最大限に活かせていると思っています

 

 実は大学卒業後、8年ほどJAXAに勤めており、一念発起して2022年にPale Blueに転職しました。職場は変わりましたが、目指すべき方向は変わらず、ALL JAPANで宇宙産業をより大きく、強くすることであると思っています

 

 現在、これまでの人脈・知見も活かし、JAXAや他企業と連携した製品開発プロジェクトを推進しています。これを成功させ、世界で勝てる企業へと成長させることが直近の目標です

~令和6年1月29日のNHK「おはよう日本」で宗さんの勤務する「株式会社 Pale Blue」が紹介されました~

 

https://www3.nhk.or.jp/news/contents/ohabiz/articles/2024_0129.html

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(高校時代の宗さん)